小学生の頃、一番好きな授業はなんでしたか?
音楽が好きな人もいれば体育が好きな人もいると思います。
そんな私は道徳の授業が一番好きでした。
どうして私が道徳の授業が一番好きだったかと、
他の授業に比べて道徳の授業が子供の頭を良くするのに一番最適なのか説明していきたいと思います。
日本の小学校の授業はほとんどが頭を使わない。
みなさんは日本の教育は優れていると思いますか?
じつは日本の小学校の授業はほとんどが頭を使わないように設定されています。
もう少し具体的に言うと算数、国語、理科と全て答えが決まっており、
単なる情報処理、知識の詰め込みと言う点に置いてしか全くと言っていいほど教育が施されていません。
計画性を養ったり、判断力を養ったり、戦略性を養ったりとしたことは行われません。
検索エンジンで検索すれば答えが出るようなことだけをひたらすらやらされ、
まともに頭も働かせないので、日本の教育が優れているかどうか言うまでもありません。
道徳の授業はその中で圧倒的に異彩を放つ存在である。
その中で道徳の授業というのは非常に特殊なものであります。
おそらく個人が好き勝手しないような首輪的な意味合いでしか設計されてなく、
ほとんど着目もされていない科目だからこそ、まだ学ぶべきことが残っているのかもしれませんね。
道徳の授業は複雑な概念操作を必要とする、戦略策定ゲームです。
またその目的を達成するために、自分の感性や価値観を客体化すること、
ゲーム理論、社会学、心の理論、ディベート能力が必要とされ、
他の授業に比べて圧倒的に自分の頭で考えることが必要な科目です。
一つずつ説明していきましょう。
道徳の授業は複雑な概念操作を必要とする、戦略策定ゲームである。
人は誰しも考えるときある程度の概念操作をしています。
道徳の授業では数学の具体的な数字や国語のストーリーのよりも一歩踏み込んで、
何が社会通念上正義であるべきかというイメージしにくい概念を考える必要があります。
また社会のルール上でどういった正義が一番優れている戦略か
ということを様々な観点から考察し策定しなければなりません。
非常に頭を使い子供の教育にとって最適です。
自分の感性や価値観を客体化する能力が養われる。
道徳の授業では必ず自分の考えや戦略の弱点を指摘されるでしょう。
そのときに自分の感性や価値観を客体化する能力が養われるため、柔軟な発想ができるようになり、
様々な環境や難題に挑戦できる子供になるでしょう。
ゲーム理論を必要とする。
道徳の授業とは社会通念上で正義という戦略を策定することである。
正義とはつまり社会の構成員の利益の最大公約数である。
ということができますね。
これはまさにゲーム理論です。
個人の利益だけを追求すれば全体の利益が下がってしまう。
全体の利益を追求すれば個人の利益が下がってしまうというジレンマの中で、落としどころを模索する。
大学の社会学の講義で論ぜられるレベルの難題を小学生でも十分考えられるのです。そう道徳の授業ならね。
社会学を必要とする。
ただゲーム理論的に利益の大きい戦略が優れているのかというとそうでもないのが、道徳の授業の奥深いところ。
社会には本音や建前、慣習など、人の感情が渦巻いています。そして人の感情とは理不尽で非合理なもの。
だけれど、感情面や生活の実務面も、組み込まれていなければ社会のルールとはなり得ません。
無機質な利益の戦略と、有機的な感情の戦略。
二つの異なる抽象概念を融合させなければ答えは出ない。
ここまでくると道徳の授業はもはや芸術です。
心の理論を必要とする。
心の理論とは、相手の視点に立って相手の考えていることを予想する能力のことです。
相手がどういう視点で考えているのか。どう言った戦略を重要視しているのか。
心の理論を考えなければ道徳の授業で自分の戦略が優位性を主張できなかったり、相手の戦略の弱点を指摘したりできません。
大人になっても相手の立場になって考えるのは難しいもの。
子供の頃から心の理論を養えば、潤滑な人間関係を可能としてくれるでしょう。
ディベート能力が養われる。
算数は言わずもがな、国語など言語を扱う授業であっても自分の意見を先生に述べるだけで、
ディベートは行われません。
そう、道徳の授業を除いては。
道徳の授業はその性質上、話し合う、つまりディベートする能力が非常に養われます。
様々な観点から自分の戦略を考えられてもそれを実行できなければ、机上の空論、絵に描いた餅。
自分の戦略を主張して相手に納得してもらうのは実行の第一歩です。
ここまでの実学を学ぶことのできる授業って他にありますか?
まとめ
いかがだったでしょうか。
道徳の授業がこんな側面も持っていたなんて意外と思ってくだされば幸いです。
もし道徳の授業が得意だった子がいたらぜひ褒めてあげましょう。
子供の頃、道徳の授業が好きだったなという方がいれば自分を褒めてあげましょう^^